かわいそうなぞう つちやゆきお、たけべもといちろう
この日、戦争は終わりました。
でも終わったといっても、それからが大変だったことでしょう。
その時代の人たちががんばったからこそ今がある。
それも忘れてはいけないことですね。
さて本日の絵本。
終戦記念日にぴったりのこの絵本です。
かわいそうなぞう
土家 由岐雄 武部 本一郎 金の星社 |
この絵本は・・・泣けます。
私は毎回読んで泣いてしまいます。
戦時中、爆弾が動物園の檻を壊して、動物たちが逃げ出し、人に危害を加えるおそれがあると言うことで、動物園の動物たちを処分します。
人間優先・・それはとてもわかります。
だから動物園側のした措置はある意味正しい。
人間はできるだけ生き残って、やらなければいけないことがある。
それはわかっているけれど、なんとも心の痛む選択です。
飼育係は一生懸命世話をしてきた。
それが戦争というものによって、かわいい我が子のように育てた動物たちを殺さないといけません。
この絵本はそんな動物たちの中の三頭のぞうのお話しです。
まず一番はじめに暴れん坊のジョンというぞうから殺されることになりました。
毒入りじゃがいも、毒の注射を試しましたが、どれも失敗。
そしてえさをやらずにいると、17日目に死にました。
次はトンキーとワンリーというぞうの番です。
このぞうたちにもえさを与えませんでした。
それでもぞうたちは一生懸命「えさをください」と訴えました。
やせ細った身体で芸当もしました。
それを哀れに思った、飼育係がえさと水を与えました。
周りの人は見てみない振りをしました。
それでもぞうは死んでしまいました。
そのあとに戦争が終わりを告げました。
なんとも言えない後味の悪さ。
後悔しても、もうぞうは戻らない。
悲しい話ですね。
これは上野動物園のお話しなので、知っている方も多いでしょう。
ノンフィクションなので、創作よりぐーっとくるお話しです。
以前白ヒゲの絵本屋さん がこの絵本を紹介していました。
そこで「ドラえもん (5) 」に「ぞうとおじさん」というタイトルのお話しがあって、このお話しをあまりにもかわいそうに思った藤子不二雄氏がドラえもんの中で救いを与えたのではないかと書かれてあったのを見て、早速読んでみました。
確かに・・・そうだ!と思いました。
ぞうは生きている。ドラえもんの道具の力でアフリカに送り返されていました。
少し気が晴れる思いがしました。
ビデオも見つけました。こちら↓
TV版ドラえもんスペシャル 第5巻「ゾウとおじさん」
by G-Tools |
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が紹介されていた「かわいそうなぞう
」へトラックバックします。いいことを教えてくれてありがとうございました♪
わすれられないおくりもの スーザン・バーレイ
誕生日はいやではないんだけど、やはり年をとるってことは好ましくないですね。それだけ老いを感じさせますからね。
それでも誰だって年はとるし、それを受け入れなくちゃなりません。
そして生あるものはいずれ死にます。
それはみんなに言えることで、例外はいないはずです。
そこで素敵な「死」についての絵本を紹介しましょう。
何も誕生日に紹介しなくても・・と思うかもしれませんが、
そんなに暗い絵本ではないので。
わすれられないおくりもの
スーザン・バーレイ 小川 仁央 評論社 |
私は今死んでしまうのはとても惜しいと思ってます。
何故って、まだ子供が小さい。
子供の成長を見なくて死んでしまうのは非常に残念です。
でも世の中には子供の成長も見ずに、この世からいなくなってしまう方もいらっしゃいます。そんな人を何人か見ています。
ブログでもあちこちでそう言う方々の旦那様も見かけます。
逆に子供たちを虐待し、中には子供を殺してしまう人もいる。
なんとも理不尽な世の中ですね。
この絵本の中のアナグマは最年長です。
もう自分の先が長くないと言うこともわかっていました。
それでもみんなと一緒に走れたら・・と思いました。
でもそれはかなわず、杖をついて歩くアナグマには無理でした。
ある日、アナグマは長いトンネルを走っていました。
アナグマがいなくなったと次の朝、みんなは気づきました。
アナグマは死んでしまったのです。
みんなは悲しみました。
でもあることに気づいたのです。
それはアナグマとともに過ごした思い出。
みんな楽しい思い出でした。
それはとても忘れられるものではありません。
それを思い出すたびに悲しみは薄れてきました。
そしてみんなアナグマを感謝する気持ちに変わりました。
「ありがとう・・」と。
とても素敵ですよね。
私もこんな老人になりたいと思うのです。
だから今のうちに自分にできることをやっておかないとなぁ~。
良い思い出がたくさんできるように。
そして最後には楽しい思い出だったよと思ってもらえるような。
先のことなんてわからないから、今を精一杯楽しく生きること。
それは誕生日で一つ年をとるたびに思うことでしょうね。
ちょっと暗い内容でしたか?(笑)
でも何故だか、この絵本は誕生日に紹介した方がいいような気がしたのです。多分自分の誕生日が来るたびに思うことと似たような内容だったからかなと思います。
悲しいけれど、心の中がほんのり温かくなるような、そんな絵本ですよ。
メロッチョ 思春期に入りました~!
うちのメロ、今日開いてみたら、
なんと!!
緑色に変化していました!!
今日からピッキーも思春期に突入~。
やはり人間と同じで、難しい年頃なのかしら?
育て方に問題があったりしたら、ひねくれちゃったりするのかな?
大切に育てなくちゃね。
でも色の違いって何か法則があるのかな~。
あんなに色違いがいるなんて、不思議だわ。
イチさんのメロがうらやましくて仕方なかったんだけど、
これで仲間入りだわ♪
あれ?あれ?メロ度が上がってない??
おかしいなぁ~。
昨日とメロ度が同じです・・。
なんでだー!!
今日あたりメロが思春期になると期待してたんだけどなぁ。
明日になるのかしら・・・。
新しい色のメロがでてきていますね。
黒は・・ちょっと・・避けたい色だが。
う~ん、ちょっと心配になってきた・・。
オフェリアと影の一座 ミヒャエル・エンデ文/ フリードリヒ・ヘッヘルマン / 矢川 澄子
オフェリアと影の一座
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at 2005. 8.11
ミヒャエル・エンデ文 / フリードリヒ・ヘッヘルマン絵 / 矢川 澄子訳
岩波書店 (1988.10) |
エンデの絵本ですね~。
訳は矢川澄子さんです。
表紙画像がなくて残念ですが、表紙はカーテン(シーツ?)の向こうで踊っている絵です。踊っているのは人間ではなく、動物ですね。ドレスやスーツを着ているようです。
この画家はこの絵本だけしか描いていないみたいですが、とても美しいです。
タイトルは「オフェリアと影の一座」と書かれています。
どんな内容なのでしょうね。
オフェリアというのはおばあさんで、顔がものすごくしわくちゃです。
お芝居が大好きで、劇場で台詞を忘れた俳優たちにそっと陰から台詞を教える仕事をしていました。でも他に大きな劇場ができて、そちらにみな足を運ぶようになり、オフェリアが働いている劇場はつぶれてしまいました。
最後の公演のあと、一人立ちされずに残るオフェリア。
すると・・・劇場に影法師が一つ。
声をかけてみると、それは影でした。
影は誰の影だかもわからない。つまり「はぐれ影」と言った方がいいんでしょうか?
それをオフェリアは引き取ります。
そんなはぐれ影は一つではなく、次々とオフェリアの元に来ます。
そのたびにオフェリアの影は増えて、時々影をカバンにしまって、
持ち歩いたりするようになります。
タイトルにもある「オフェリアと影の一座」が出来上がるわけです。
オフェリアがシーツを出して、その後ろで影が演じます。
ここでまたオフェリアの陰の仕事が活躍します。
生き甲斐を見つけて、またオフェリアはがんばります。
でも・・・。
これはとても絵に引きつけられる絵本ですね。
エンデの文章をこの画家は見事に絵で表現しています。
とても幻想的で美しい絵です。
絵を眺めているだけで、ホーとため息が出そうなくらいきれいです。
小さいお子様向けの絵本ではありませんが、小学生高学年以上のお子様なら十分楽しめる絵本だと思います。
この絵本の最後なんですが、上の方で書いた「影」が大きく関わってきます。
美しい絵が好きな人は一度図書館で読んでみてください。
最後にこの絵本を教えて頂いたぱいぽさんに感謝♪
ありがとうございました♪